2006年7月 相川佳輝

 前回私の自伝小学校編をお送りした訳でして、だもんで今回は中学校編です。

 私が通った中学は創設からまだ1年しか経っておらず、つまりは私が1年生の時に2年生はいましたが、3年生はいませんでした。
今思えばこれが重要だったのかもしれません。だってそうでしょう、3年生どもが力で支配するような中学校時代はうちでは全く縁がなく、その分面白いこと(いやここではおちんちんと言った方が的確か)が私の周りを支配する結果になったのですから。

 3組ある中の私はA組でした。とにかく俺は面白いんだということを早く皆に教えないといけないという焦燥感があり、私はまず名簿順でたまたま後ろだった青木に狙いをつけました。青木は顔がゴリラにソックリだったので笑いのレベルも低く、えんどこいち直伝のいきなり尻見せであっさり殺せました。青木程度のレベルでいきなり尻見せを出してしまうのはもったいないと思うかもしれませんが、これは土俵作りなのです。ここで私が青木と面白い相撲をとれば、周りでわかるやつがそれを観て私に近づいてくるのです。実際これで私の周りにはあいうえ辺りまでの人は集まりました。

 しかし私の焦りは一向に消えることはなく、もっとやらねばと思っていました。しかし焦りは目を曇らせます。席順的に名前が遠い人とはなかなか仲良くなれなかったので、たまたまタ行の田辺仁というやつと仲良くなれる時が訪れました。なぜかは思い出せませんが、なんと二人で廊下に立たされたのです。あまり話したことがなかったのでコレはチャンスと思い、
「いいもん見せてあげるよ。」
といって、私は廊下でいきなりオナニーをして精子をぶちまけたのです。皆さんが言いたいことはわかるので何も言わないで下さい。それを観て田辺は
「相川ちゃんすげぇ」
と言いました。私はこの時イッた後だったというのもあるでしょうが、なんでこんなつまらんコメントしかできないやつにシコシコを見せてしまったのだろうと、罪悪感でいっぱいになりました。シコシコは、ここ一番で!という訓示を自らに与えました。

 やはり中学1年生ということもあって、皆エロに笑いが向くのは当然です。私も青木と18歳になってソープに行くにはあと何年何日必要か計算したりしていました。休み時間もちょっと肌がつるつるしてる岩田を襲ってフガフガ言ったりしてました。そんな笑いのレベルを上げてるのか下げてるのかわからない日々をスコーンと吹っ飛ばす人物がある日突然私の目の前に現れました。

 その日もいつものようにちょっと肌がつるつるした岩田にフガフガいって、ちょっと肌がザラザラした石橋をいじめていた時のことです。
 「それレイプ?レイプ?」
といきなり連呼する声が聞こえたのです。見ると崎原でした。名前は知っていたのですが全く話したことがない男で、しかも私は当時レイプの意味を知らなかったのです。なので
 「う、うん…」
それしか言えませんでした。完敗です。こち亀はレイプを私に教えてくれていませんでした。うん、と言ってしまった手前その後もレイプの意味を聞き出すことも出来ず、私はもう二度とレイプが目の前に現れないことを祈りました。しかし次の休み時間も崎原は私たちが遊んでると
 「レイプ!レイプしてるし!」
と言ってきました。意外と皆知っていたのか周りは笑っていました。崩される私の自信、こだますレイプの影…私はどうすることも出来ずいきなり尻を見せるのみでした。がっくり肩を落として帰ろうとした時、崎原が同じ方面の電車だと知りました。これはチャンス、とんねるずのオールナイトニッポンで培った会話の中から意味を探る力に自信があった私はレイプの意味を探れると思い、一緒に帰ろうと誘いました。しばらく一緒にか帰るうち、レイプの意味は探れたのですが、同時に崎原がとてつもない人物だということもわかりました。話す間、言葉のチョイス、どれをとっても面白すぎるのです。しかし崎原が最も得意とした芸は、イッちゃってる芸、イキ芸というものでした。イキはその後の私の人生を決めた要因の一つといえます。崎原はとにかくイクのです。半端ないのです。ジョジョの奇妙な冒険のポーズよりもイッちゃってるポーズを繰り出し、耳障りだけで十分面白い奇声をあげるのです。私には到底思いもよらない新しい世界でした。私は完全に笑わす側ではなく、笑う側になっていました。

 しかし私が偉いのはこのままボケーッと過ごすのではなく、それに気付き、崎原から多くを学ぼうと思ったことでした。しかし崎原はそれを知ってか、木村にエロ小説を書かせたり、渡辺にエロ小説を書かせたり、私以外の人物をこれ見よがしに鍛え始めたのです。私はその屈辱にも負けず、イキを覚えて食らいつきました。中学一年も終わりを迎える頃、私は持ち前のガッツでイキをだいぶマスターしてイキました。
 しかし崎原はまだ私の方を向いてはくれませんでした…
                                    つづく