2005年4月 新島大悟


皆さんこんにちは、新島大悟です。いかがお過ごしですか?
四月からクリーニング屋でバイトを始めました。何故クリーニング屋なのか・・・、正直直感でした。でも今になってよく考えてみると、この職種には、いろいろな魅力が詰まっていて、それを直感的に感じ取っていたからこの仕事を選んだのかもしれません。。
今回の月論を書くことによって、僕の私生活を皆さんに少し覗いてもらおうかと思います。
クリーニング屋での僕の仕事は、主にレジ周りです。まだ新人ということもあって、洗浄作業には加わりません。
それらの作業はお店の信用問題にも関わる事なので、オヤッサン(萩原 靖男)やミッチャンさん(三島 年男)の仕事になっています。
この人たちは、いわゆる古株さんというか・・大先輩の洗濯屋サンで、もうふたりとも七十台にさしかかろうとしている位の年齢です。
だから彼らの顔は、長年振りまいてきた笑顔と、洗剤の粉が混じりあって・・・とてもしわくちゃで・・・手はそれ以上に痛んでいます。(おそらく長い間洗剤を使いすぎたためだと思います)
この人たちは、すでに僕よりも二十年はベテランの先輩だから、僕が小学校で女子便にランドセルを投げられ苛められてたときや、初めて彼女ができた中二のときもオヤッサンとミッチャンさんは、この業務用洗濯機の前で客の服の愚痴を言いながら、タバコでも吸っていたかと思うと・・・・、「もしかしたらこの二人は地球の救世主で、これから社会の荒波に揉まれる僕に、究極の奥義を伝授する老師かもしれない・・・・・・、」とたまに思ったりもします。
とにかくこの二人には、僕には想像もつかないくらいの年輪が刻まれているんじゃないかと思います。
レジ周りの仕事には、まだ慣れていませんが接客はとても楽しいです。
毎日いろいろな人と顔をあわせ、なんでもないような相談や世間話をします。
一日がとても有意義でいて、午後になると西日が射し込み、ゆったりとした風がそのレジ周りに吹きつけます。
おそらくはたくさんの人が、こういう有意義さに憧れそういう時間を探している中、僕が偶然にもこんな簡単に見つけてしまうとは・・・。少し罪悪感があります。
ここからは少し僕の日記を書いていこうかと思います。

4月1日sun(晴れ)
店内には、ラジオのノイズ交じりな音楽が流れている。最近テレビを見ることが少ないため誰が歌っているのかまったくわからない。がどうやらかなり若い歌手らしい、とても黄色い声で歌っている。「アイドルか・・・」と思う。少し経つと、黄色い声とはまったく別のだみ声が聞こえてきた。店の裏のほうで、オヤッサンがこの歌に同調している。気持ちが悪い、が少し愛くるしい。だって彼は大分、ガッツ石松に似ているからだ・・・。

 
4月2日mon(曇り)
今日は朝からバイト。やはり今日もラジオが店内に鳴り響く。演歌のようだ・・11時もうすぐ彼女が来る。岸田 恭子(仮)おそらくキャバ嬢だ。彼女は月曜になるとその週に溜めた、勝負着をまとめて出す。色とりどりのドレスが、気の緩んだスッピンのキャバ嬢とよくマッチする。やっぱり、キャバ嬢と逢うのは昼間に限ると再確認。彼女が帰ってから一時間くらい経って、客足も減ったので休憩を取ろうと店の裏に回った。そして意外な光景を目にした。オヤッサンが、キャバ嬢のしわくちゃなドレスに顔をうずめ、野犬が唸る様に声を出していた。一瞬背筋が凍りつく・・そして自分に言い聞かす・・・すべて無かった事にしようと・

4月3日tue(晴れ)
昨日からオヤッサンを見ると吐き気がするが、我慢我慢、何日かやり過ごせば必ず大ジョブと自分に言い聞かせる。が、一回だけ自分の家のトイレで嘔吐。

4月4日wed(晴れ)
クリーニング屋に着く前に八百屋に寄った。店頭に並ぶジャガイモがオヤッサンの顔に見え、八百屋店頭にて一回嘔吐。どうしたらいいものかと少し悩みはじめた。

4月7日sat(雨)
少し寝込んでいた。何日か続いている吐き気がまだやまない。バイトも何日か休んでいる。目を閉じるだけで、オヤッサンの顔が出てくる。そして嘔吐。もう何回吐いたか解らない。自分の部屋に居た
くない。眠ることさえできない。目を閉じるのが怖いから。不眠が続く。

4月8日sun(晴れ)
外の日差しが嫌で雨戸を締め切りにする。何日か前からケータイがなりっぱなしだ。おそらくバイト先、もしくは彼女だろうが出る元気がない。もしかしたら死ぬかもしれない。何回吐いたか解らない。

4月9日mon()
部屋が暗いため、何時かわからない。生きているのかもわからない。必死で、トイレに行こうと布団から起き上がる。何かに手を掛けようやく立てた気がする。用を済ませ洗面所にある体重計に乗る、なんと63だった。ここ数日で10近く減ったうようだ。手にカビが生えている気がする。

し月10日tue(くろ)
立つ事さえできなくなった。トイレにもいけず。外の様子はどうなんだろう?そろそろ桜が咲くころだろうが、今は早くこの苦しさから抜け出し

4がつ十一日(黒)
昨日は途中で気を失ったらしい・・気のせいかもしれないが部屋に誰かいる気配を感じる。暗くて和歌R内、どうやら大勢のようだ、あといつの間にか枕元にカラフルなイカが泳いでいるのが見える。おいしそうだ。

しがtう12にc
昨日から部屋にいる人たちが、耳元で話しかけてkる。「クリーナー食べたい?クリーナー食べたい?」と声にならないような呻きでそれにこたえる「食べたい・・」おそらくこれで死ぬんだ・・・お母さn・・彼女に会いたい、もう日記を書くのをやめにする。つかれtた・・・

《ここに書かれた物語・文章はすべてフィクションです。実在の人物とはなにも関係はありません》

2005.4.14 新島 大悟